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働き方改革を実現するRPAの衝撃                       

▶︎ RPAとは何か

RPAとはRobotic Process Automation(ロボティクス プロセス オートメーション)の略称で、
ホワイトカラーのPC上の作業を代替するツールです。

具体的には、パソコンを設定すると、予め設定されたとおりにマウスとキーボードが自動的に動き、
パソコン上で作業を行います。製造業では機械を使った手作業から、今やロボティクス化が進み、製造自体は自動で進み、そのロボットをオペレーターが管理するというやり方になっております。

一方でオフィス業務はどうでしょうか?未だにパソコンを人間が使い、機械を使った手作業から脱却できておりません。これを製造業と同様に、パソコン自体の手作業を代替し、自動化(ロボティクス化)していこうという発想から登場したのがRPAです。

実際に導入されている企業では
「営業リストの作成」や「請求書/見積書の作成」・「財務情報の集計」・「採用の応募返信メールの配信」・「受発注システムを使った発注情報の送信」など、様々な業務でRPAを活用されております。

ただし、RPAでできないこともあります。
一つ目は「手書き書類からの入力」です。
入力する元データーがエクセルやワードなどであればRPAで自動化できますが、紙媒体からパソコンを使って自動的に打ち込むことはできません。これはRPAに並んで注目されているOCR(Optical character recognition)という技術で手書き書類をデーター化する取組みがされております。

二つ目は「都度判断が必要でパターン化できない業務」です。
Aの場合はB、Cの場合はD、Eの場合はFというようにパターン化できれば自動化は可能ですが、パターンがなく、人間が都度判断しなくてはいけないものはRPAは活用できません。

三つ目は「予測や計画作成など思考することが必要な業務」です。
例えば、生産計画や施工計画を作成したり、1ヶ月の需要予測を行ったりすることはできません。

▶︎ RPAが注目される背景

昨今、都市圏ではAIやRPA・IoTなど生産性を向上するために必要な技術の展示会が頻繁に行われております。また、大企業をはじめ、中小企業も様々なツールを導入し、生産性向上に取り組んでおります。私の推計ですが、RPAだけでもすでに3000社以上の企業が導入しております。
ここまで各企業の関心が高いのはなぜでしょうか? 皆様のご存じのとおりですが、人口減少です。
図1をご覧いただければ分かるとおり、将来に向かって人口は減り続けます。
これに重なって人口の高齢化が進み、労働人口も激減していきます。

私も各企業を回っていると「人がとれない」という話しを耳にする機会が多く、すでに人材不足が始まっている実感があります。これに伴って、政府も働き方改革なるものを推進しており、「女性や高齢者などの働き手を増やすこと」や「出生率を向上し、将来の働き手を増やすこと」・「労働生産性を上げること」などで対応すべく様々な対策を講じております。
この人口減少と政府の政策が重なって、すでに実現できる技術として、ここ数年で強烈に注目を浴びてきたのがRPAです。

▶︎ RPAの種類と特徴

非常に期待されているRPAですが提供しているメーカは無数にあります。
そのRPAを種類で分けると大きく2つに分かれます。
一つはサーバー型と呼ばれるもので、もう一つはスタンドアローン型と呼ばれるものです。
サーバー型はサーバー上で動くのに対し、スタンドアローン型はパソコン自体にインストールし、
パソコン上で動きます。それぞれの特徴は図2のとおりです。

大きく異なるのは、業務を一気通貫で自動化しようとして作られたRPAか、それともパソコンを使って作業する人の細かい業務を自動化しようとして作られたRPAかです。業務を自動化すると一言で言っても、どの視点で業務を捉えるかにより考え方が異なってきます。この考え方が異なるため、処理スピードや設定方法・管理の仕方など、細かい仕様が変わってくるのです。

どちらにしろ一長一短あるので、自社の業務や自動化したいことに合わせた種類を選定することが必要となります。ちなみに、最近ではこのサーバー型とスタンドアローン型を組み合わせて、それぞれのいいとこどりをしているツールが登場しています。

▶︎ 目をつけるべき業務と洗い出し方

RPAを導入し、自動化することが望ましい業務は以下のとおりです。
① 月の中で定期的にやっている業務
② 手間や時間をかけてやっている(残業でやっている)業務
③ やりたくない/社員にやらせたくない(単純繰り返しの)業務
④ ミスや手戻りが多い業務⑤ 年間の中で業務量が著しく増える月がある業務

このような業務を自動化すると、空いた時間でクリエイティブな仕事や対人でやるべき業務などに振り向けられます。また、人を採用することなく、業務を実施することができます。

では、このような業務をどのように見つければよいでしょうか? ・・・・・・・
業務フローやマニュアルがある場合には簡単に自動化できる可能性のある業務が洗い出せます。
例えば、契約書を作成するという業務であれば、契約書を作るにあたって営業段階で使用した提案書や見積書の内容を転記したり、内容に合わせて契約書を書き換えたりします。
そして、その業務を行った結果として契約書が出来上がります。

このように、その業務を行うにあたってのインプットとアウトプットが存在します。
このインプットとアウトプットがデーターやパソコン上から触れるシステム/フォルダーに存在すれば自動化できる業務である可能性が高いです。
逆に、インプットであれアウトプットであれ、紙媒体やパソコン上から触れられない状態であれば自動化できないです。

▶︎ 中小企業がRPAを選定するときのポイント

では実際にRPAを導入する際は何をポイントにメーカーを選べばよいでしょうか!?
結論からお伝えすると、「そのツールは現場の業務担当者が設定・変更できるか」です。
RPAは自動化するために設定が必要です。その設定をIT技術者(情報システム担当)が介在して二人三脚で作っていくことも可能ですが、図3をご覧ください。

現在ですらIT技術者は不足しており、将来は著しいIT技術者不足に陥るでしょう。
その状況下でIT技術者がいないと設定できないツールを導入したらどうなるでしょうか?・・・・・
IT技術者を獲得するのに翻弄し、また、獲得するための費用も跳ね上がるでしょう。
したがって、RPA導入する際に「どの業務を自動化するのか」ということと並んで重要なポイントが「誰が自動化の設定をしていくのか」ということです。プログラミングやコードを書くことができなくても自動化の設定ができるツールが良いと思います。
願わくは、各現場で各業務担当が自動化の設定をそれぞれで行い、管理し、現場自体で生産性の向上を図れる状況にできれば非常に素晴らしいのではないでしょうか!?

長文を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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