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なぜ会社はダメな管理職を降格しないのか?

なぜ会社はダメな管理職を降格しないのか?

来期に向けた人事や組織の話が出始めると、
多くの会社で同じ空気が流れる。

「成果が出ていないのに、なぜあの人は上に居続けるのか。」

誰もが気づいている。
だが、誰も口にしない。

合理的には、降格すべきだ。
それでも現実にはできない。

理由はシンプルだ。
管理職が「役割」ではなく「身分」になってしまっているからである。

一度ついた肩書は既得権となり、
触れた瞬間、組織の空気が凍る。
結果として、組織は停滞し、優秀な人ほど疲れて去っていく。

ある経営者が、こう漏らした。

「人としては悪くないんです。ただ、組織が前に進まない。」

これは、多くの経営者が抱える本音だろう。

そこで私が提案したのは、
「人を下げる制度」ではなく、「人が動く制度」だった。

ポイントは、
管理職という肩書を壊すことではない。
“固定させない”ことである。

導入したのは、任期制リーダーという考え方だった。

役職を廃し、
プロジェクト単位で、半年〜1年のリーダーを置く。
任期が終われば、いったんリセットする。

すると不思議なことが起きた。

降格の話をしなくても、
自然に役割が入れ替わり、
挑戦する人が増え、組織に流れが生まれた。

「降格できない」という矛盾そのものが、消えていった。

多くの会社で問題なのは、能力不足ではない。
役割のミスマッチである。

営業は得意だが、人を育てるのは苦手。
数字は見られるが、感情のケアができない。

それでも「課長だから」という理由で、
すべてを背負わせ続けてしまう。

だから、役割を分ける。

育成が得意な人は育成を。
改善が得意な人は改善を。
現場推進が得意な人は現場を。

「苦手を我慢させる組織」から、
「得意が生きる組織」へ。

重要なのは、
役職を動かすことではなく、役割を回すことだ。

会議の進行。
新人教育。
小さなプロジェクト。

これらも立派なリーダー経験である。

最初は小さくていい。
半年任期のリーダーを一つつくるだけで、
組織の空気は変わり始める。

最後に。

降格の是非で悩む前に、
挑戦の場を広げているだろうか。

動かしたかったのは、
部下ではなく、自分の考え方だった。

そう気づいたとき、
少し苦笑いすることになる。

……笑いごとではないけれど。

 writing:ストロングポイント株式会社 代表取締役 加賀隼人 

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