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努力すればするほど、売れないという話               

努力すればするほど、売れないという話

仕事柄、「売上」に対するご相談も多くあります。
これは、HR系サービスを提供している会社の話を例にお話します。

ある会社は、10年程前にHR系サービスで急成長を遂げました。
営業を何もしなくても、問合せによって仕事を取れるぐらい画期的なサービスでした。
しかし、それが3年目になってから、急激に成長率が下がりました。

「どうすればいいか?」と相談されました。
まずは会社がやっていることを聴きました。

「若手や新人を使って、テレアポ、飛び込みを強化しています。」
「WEBマーケティング会社にお金を払って、WEB広告を強化しています。」
こんな返答が返ってきました。

「成果はどうでしょうか?」と聴くと、上手くいっていないと言います。

経営者は、営業部長の責任が大きいと言って、部長を更迭しました。
そして、成果を上げたものを次々と営業部長に据えていきました。
それでもうまくいかない!と言っていました。
経営者は社員に「努力が足りない!」、「もっと一生懸命にやれ!」と罵倒したそうです。

米国MITスローン経営大学院のピーター・M・センゲは
著作「学習する組織――システム思考で未来を創造する」で
このようなことを言っています。

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多くの企業が、自社製品が突然に市場での魅力を失い始めるとき、
相殺フィードバックを経験する。

企業はより積極的な売り込みを推し進める──
それが今までいつもうまくいっていたやり方だ。
宣伝費を増やし、価格を下げるのである。

こういった方法によって、一時的には顧客が戻ってくるかもしれないが、
同時に会社からお金が流れ出ていくので、会社はそれを補うために経費を切り詰め、
サービスの質(たとえば、納期の早さや検査の丁寧さ)が低下し始める。

長期的には、会社が熱心に売り込めば売り込むほど、
より多くの顧客を失うことになるのだ。
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私が見た現象は、サービスの質を改善せず、社員を「テレアポ」と「飛び込み」などの
労働集約的な仕事に邁進させる、というやり方でした。
顧客は流出し、人材は会社を辞め、競合にシェアを奪われました。

では一体、どうすべきか?

悪いのは「社員」と決めつけてはいけない。
悪いのは「経営者だ」と決めつけるのもいけない。

うまく行っていない本当の原因を徹底的に、客観的に直視し全体を俯瞰すること。
つまり「頭を使え」ということです。
頭を使わない組織に堕ちた時、会社は崩壊を始めるのではないかと思います。

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