コラム 努力すればするほど、売れないという話 2023.06.02 2023.06.05 ▶努力すればするほど、売れないという話 仕事柄、「売上」に対するご相談も多くあります。 これは、HR系サービスを提供している会社の話を例にお話します。 ある会社は、10年程前にHR系サービスで急成長を遂げました。 営業を何もしなくても、問合せによって仕事を取れるぐらい画期的なサービスでした。 しかし、それが3年目になってから、急激に成長率が下がりました。 「どうすればいいか?」と相談されました。 まずは会社がやっていることを聴きました。 「若手や新人を使って、テレアポ、飛び込みを強化しています。」 「WEBマーケティング会社にお金を払って、WEB広告を強化しています。」 こんな返答が返ってきました。 「成果はどうでしょうか?」と聴くと、上手くいっていないと言います。 経営者は、営業部長の責任が大きいと言って、部長を更迭しました。 そして、成果を上げたものを次々と営業部長に据えていきました。 それでもうまくいかない!と言っていました。 経営者は社員に「努力が足りない!」、「もっと一生懸命にやれ!」と罵倒したそうです。 米国MITスローン経営大学院のピーター・M・センゲは 著作「学習する組織――システム思考で未来を創造する」で このようなことを言っています。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 多くの企業が、自社製品が突然に市場での魅力を失い始めるとき、 相殺フィードバックを経験する。 企業はより積極的な売り込みを推し進める── それが今までいつもうまくいっていたやり方だ。 宣伝費を増やし、価格を下げるのである。 こういった方法によって、一時的には顧客が戻ってくるかもしれないが、 同時に会社からお金が流れ出ていくので、会社はそれを補うために経費を切り詰め、 サービスの質(たとえば、納期の早さや検査の丁寧さ)が低下し始める。 長期的には、会社が熱心に売り込めば売り込むほど、 より多くの顧客を失うことになるのだ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 私が見た現象は、サービスの質を改善せず、社員を「テレアポ」と「飛び込み」などの 労働集約的な仕事に邁進させる、というやり方でした。 顧客は流出し、人材は会社を辞め、競合にシェアを奪われました。 では一体、どうすべきか? 悪いのは「社員」と決めつけてはいけない。 悪いのは「経営者だ」と決めつけるのもいけない。 うまく行っていない本当の原因を徹底的に、客観的に直視し全体を俯瞰すること。 つまり「頭を使え」ということです。 頭を使わない組織に堕ちた時、会社は崩壊を始めるのではないかと思います。 Tweet Share Hatena Pocket RSS feedly Pin it 投稿者: adminコラムコメント: 0 デジタルネイティブ世代の育成方法について ... 組織の成長に必要なのは“優秀な人”を採用することでは...