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後継者がいない会社の本当の理由

 後継者がいない会社の本当の理由 

「後継者がいない」 

地方企業の経営者から、よく聞く言葉である。 

しかし現場で見ていると、少し違う景色が見えてくる。 

本当にいない会社は、実はそれほど多くない。 

多くの場合、問題は別のところにある。 

 

第一の理由。 

育てていない。 

後継者は、突然現れるものではない。 

経営とは専門職である。 

意思決定
数字
人材
資金
リスク 

これらを扱う訓練を 受けていない人が、
ある日突然社長になることはできない。 

だが多くの会社では、 育成が始まるのが遅い。 

50代後半になってから
「誰かいないか」と探し始める。 

それでは 間に合わない。 

 

第二の理由。 

任せる覚悟がない。 

後継者候補はいる。 

息子
社員
幹部 

しかし経営者の頭の中にはこういう言葉が並ぶ。 

「まだ早い」 

「任せるのは不安」 

「もう少し様子を見たい」 

その結果、いつまでも権限は渡らない。 

後継者は経営の経験を積めない。 

そして数年後、こう言われる。 

「まだ任せられない」 

当然である。 

任せていないのだから
育つはずがない。 

 

第三の理由。 

社長という仕事が、
見えていない。 

多くの中小企業では、社長の仕事がブラックボックスになっている。 

意思決定の理由
資金の動き
取引先との関係
経営判断の背景 

それらは社長の頭の中にある。 

共有されていない。 

だから後継者候補は思う。 

「自分には無理だ」 

こうして承継の候補者は静かに減っていく。 

 

誤解のないように言えば、事業承継は簡単ではない。 

家族の問題
お金の問題
会社の問題 

すべてが絡む。 

だが一つだけ確実に言えることがある。 

後継者問題の多くは 

人材不足ではない。 

準備不足である。 

 

事業承継とは会社の最後の仕事ではない。 

経営の仕事である。 

むしろ 優れた経営者ほど 

会社が元気なときに 承継を考える。 

業績がいいときは選択肢が多い。 

業績が悪くなれば選択肢は消える。 

 

黒字企業が 後継者不足だけで消えていく社会は、あまり健全とは言えない。 

本当の問題は「後継者がいないこと」ではない。 

後継者を育てる時間を 使ってこなかったこと 

である。 

 

もし今、会社が黒字なら。 

それはまだ時間があるということだ。 

そして正直に言えば、 

時間があるうちにしかできない仕事がある。 

その一つが事業承継である。 

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