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社員のやる気を継続するために必要なこと

▶ 社員のやる気は3つに分類される

皆様は日ごろから社員や部下のやる気に頭を悩ませることが多いのではないでしょうか!?
やる気は目に見えないものなので、非常に難解なことだと感じられることと思いますが、
まずはこのやる気とは何かから見ていきます。そもそもやる気とはどのようなことを
指すのでしょうか?

・・・・・

やる気を広辞苑で調べてみると、「物事を積極的に進めようとする目的意識」
書かれています。要は何かに向かってやるべきことをやっていこうとういう意識があるか
否かということです。

このやる気は整理すると3分類に分かれます。

① 常にやる気のある状態
② やる気がある時とない時の波がある状態
③ 常にやる気のない状態

①の社員が多ければ多い程、皆様にとって組織運営をしやすくなるのではないでしょうか!?
ただ、一般的には②の社員が数的に多く、②③の社員で経営者・管理職の方々は苦労して
いることと思います。何とかしようと沢山の時間を使って相対している方も非常に多いこと
でしょう。

弊社の研修にご参加いただいた経営者や管理職の方は、何かしら手間をかけないと動機づけ
ができないというご意見が多いです。

具体的にやっていることとして多く出てくる話は、とにかくコミュニケーションをとって
不満や悩みを解消するという話や、昇給や賞与をぶら下げて、何とかやる気を向上させよう
という話しが出てきます。

では、本当に何かしら手間をかけないとやる気は出ないのでしょうか?
また、沢山の時間を使って相対し、コミュニケーションを図ることやニンジンをぶら下げ
ないとやる気は出ないのでしょうか?

・・・・・

▶ ニンジンをぶら下げればやる気は上がる!?

ここで、エドワード・L・デシという方が提唱しているやる気に関するメカニズムを
ご紹介致します。

エドワード・L・デシは2つの動機づけがあるとおしゃっています。

① 外発的動機づけ
→ 義務・賞罰・強制などでもたらされる動機づけ。
例えば、昇給を目指して仕事を頑張るなどがこれにあたる

② 内発的動機づけ
→ 好奇心や関心によってもたらされる動機づけ
例えば、子供がゲームに夢中になるなどがこれにあたる

少し分かりにくいので、シンプルにすると以下の通りです。
① 外発的動機づけ
→ 客観的な目的によって動いている
例えば、褒められたい/認められたい/感謝されたい/喜んでもらいたい など

② 内発的動機づけ
→ 主観的な目的によって動いている

例えば、ワクワク感/楽しそうと思う/やりたいことである など

皆様にここで質問です。
◆皆様の会社の社員や部下はどちらの動機づけによってやる気を上げていますか?

・・・・・

私がお会いしてきた経営者・管理職の方々で多いのが、
①外発的動機づけによってやる気を上げているという回答でした。

やる気を上げるということで言えば、①でも②でもいいかもしれませんが、
エドワード・L・デシは①外発的動機づけは「何かないと動かなく持続性がない」と言っております。

例えば、営業マンが新規お客様の獲得をし、管理職の方が褒めちぎり、「一人前になったなぁ」と
認めます。少しの間はこれでやる気が維持されますが、1ヶ月・・・2ヶ月・・・と時間の経過と
ともにやる気は下がっていきます。そこで、営業マンが後輩の育成に尽力してくれた部分を取り上げ、感謝を伝えます。このようにやり続ける必要があるのが①外発的動機づけです。

多くの方が実践しているやる気アップの方法は長続きがしないのは当然であるという事が分かります。

皆様はこの終わりのない戦いに挑み続けますか???

・・・・・

弊社の研修にご参加いただく方々は「いや~、もうヘトヘトです。」
「時間も労力もかかるので、できればやめたいです。」という方が圧倒的に多いです。
では、どうすればいいでしょうか?

・・・・・

②内発的動機づけを生み出すことです。エドワード・L・デシはこの②内発的動機づけは
「ほっといてもやる」「持続性が高い」と言っています。子供がゲームに熱中することや、
趣味で釣りやゴルフ/ウォーキングなどをやることは強制されているわけではありませんが、
ただ単に楽しい/ワクワクするなどの理由で継続するのです。

ちなみに、冒頭でお伝えした3分類の①常にやる気のある状態の社員は、
内発的動機づけによってやる気がもたらされている可能性が高いです。

▶ 自信がやる気を継続させる

それでは内発的動機づけはどのようにすれば生まれるかを見ていきま
す。内発的動機づけは以下の3つのことによってもたらされます。

① 有能感 : 自分はできるという感覚をもつこと

② 自律性 : 自分で決めているという感覚をもつこと

③ 他人との関係性 : 仕事で関わりあう周囲の人と信頼関係が築けていて、
安心して邁進できるという感覚をもつこと

先程見た常にやる気のある社員はこの3つが満たされているのではないでしょうか!?
逆に、やる気がある時とない時の波がある社員に足りないものはなんでしょうか?

・・・・・

何が足りないかの結論はいったん置いて、まずは私が見てきた現場の話を致します。

よくあるのは、社員や部下に対して「ワクワクするようなやりたいことはあるか?」
或いは「自分でやることを決めていいよ」と言って、何とか有能感や自律性を持たせようと
していることです。ただ、これはあまりうまくいってません。

どういうことかと言うと、経営者・管理職が「やりたいことはあるか?」と聞いても、
「いや、特にないです」と返答があったり、「自分でやることを決めていいよ」と言っても
「自分では決められない」ことがほとんどです。

この状態になると「なんだこいつやる気がないな・・・」と感じてしまい、人によっては
この時点で諦めてしまうのです。

こうなってしまっては本末転倒です。このやり方は問題点は、有能感と自律性・他人との
関係性が密接につながっていることを理解していないことです。

①の有能感がない人は、やりたいことがあっても自分で決めるという行為ができないの
です。有能感はひらたくいうと自信です。

本人に自信がないことで、②自律性が生まれにくいのです。当たり前ですが、やれると本人
が思っていないかぎり、これをやろうとならないです。

自信は持っているが②自律性がないというケースでは、③他人との関係性に問題がある可能
性が高いです。ただ、私の経験でいうと前者の有能感がないという場合の方が多いと感じて
ます。

まとめると、内発的動機付けがされず、やる気が続かないのは、有能感をもっていないと
いうケースがほとんどだということです。

▶ 社員の自慢話を聞いたことありますか?

先程の話しのとおり、有能感が欠落していてやる気が高まらないケースが非常に多い
ので、ここからは「有能感を高めるためにどんなことをやればよいか?」をご紹介して
いきます。

私のお客様でやっていることですが、「自慢話を聞こう会」です。やり方を解説致します。

まずは営業会議でもチームミーティングでも構いませんので、定期的に社員が集まる会議や
ミーティングの最初の5分時間を作ってください。

その時間で、参加した社員に「最近の出来事で自慢できることを話してください」と尋ねます。
それを受けて参加した社員には自慢話をしてもらいます。その話を聞き終わったら参加者全員で
拍手をします。

例えば、「先日、お客様からあなたが営業担当なので契約をしたと言われた!」
「お電話での対応を褒められた!」など、なんでもいいので、少しストーリーがあるような
話をしてもらうと良いです。これを参加者に順番で話をしてもらいます。

自分で話すことで上手くいったことを再認識することと、周りからの称賛によって有能感が
高まっていきます。

ただし、注意点が1つあります。「なんだよそれ!、たいしたことないじゃん」と言わないということです。これを言ってしまうと話す内容のハードルが上がってしまい、自慢話が出てこなくなります。

あくまでも社員・部下の自慢話を聞くのが目的なので内容の強弱は重視しないようにお願いします。

最後に、社員・部下のやる気を上げるのは経営者や管理職の命題でもあります。
一方で疲弊している方も多いと感じます。

これを脱却する為に、まずは有能感を高め、有能感が高まったら自律性を持たせ、自分で選択させる。この流れで内発的動機づけに移行して、やる気を維持されるといいのではないでしょうか!?

是非、一度実践してみてください。

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