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話を“聞ける人”が最強である

目次

1.「相談される人」がやりがちな、致命的ミス
2.整理とは、“余分な情報”を捨てること
3.話の本質を見抜く3つの問い
4.フレームワークは、相手の思考整理の武器である
5.コンサルタントは、「情報のゴミ掃除人」だ


1. 「相談される人」がやりがちな、致命的ミス

「これって、どうすればいいですか?」
そんなふうに相談されたとき、つい良かれと思って“答え”を返してしまう人は多い。

だが、ほとんどの人は「答え」など求めていない。
求めているのは、自分の考えを言語化し、整理する“補助輪”だ。

それなのに、親切心からあれこれ改善案を出すと、
相手は「否定された」「責められた」と感じて、話す意欲をなくしていく。

相談に乗る側の最大の誤解は、「助ける=アドバイスする」だと思っていること。
実は、助けるとは「話を整頓してあげること」なのだ。


2. 整理とは、“余分な情報”を捨てること

整理とは、決して「全部聞いて、全部理解する」ことではない。
本来の意味は、「不要なものを捨てて、必要な情報だけを残す」ことである。

つまり、「話を整理する」とは、
相手の頭の中から、判断に必要な材料だけを選び取り、
それ以外の“ノイズ”を捨てていくプロセスである。

相談者は、自分でも答えを持っていることが多い。
それを引き出すには、“迷っている論点”を絞り込み、“決断可能な形”に整える必要がある。


3. 話の本質を見抜く3つの問い

たとえば、研修を企画する際にこんな問いを立てる。

○全員対象か、希望者対象か?
○評価と紐づけるか、切り離すか?
○理解でOKか、行動変容が必要か?

たったこれだけで、迷っていた方針が整理され、進むべき道筋が浮かび上がる。
営業施策に悩んでいる場合でも同じだ。

○理解していないのか、理解してるが納得してないのか?
○納得しているなら、実行できる内容か?できない内容か?

このように、“問いによる不要情報の除去”こそが、整理の要である。


4. フレームワークは、相手の思考整理の武器である

フレームワークを使う目的は、“網羅”ではない。
「ここを見るべき」「これは今は不要」という優先順位を見極めるためだ。

たとえば「売上が下がっている」という相談があれば、
下記の8項目で当たりをつけることで、視点が拡がり、絞れる。

○市場・商品・ターゲット
○差別化・集客・営業
○リピート・組織

この中で、「今、注視すべきものはどれか?」を明らかにする。
フレームワークとは、情報の整理棚なのである。


5. コンサルタントは、「情報のゴミ掃除人」だ

経験を積んでわかったのは、
コンサルタントは「答えを持っている人」ではなく、
「相手の中にある答えを、掘り出す人」だということ。

相手の話に隠れた論点や迷いを引き出し、
優先順位をつけ、余計な情報を捨てる。

その過程で、相手が自ら気づくように導く。
それだけで、相手は前に進める。

だからこそ、話を“整理できる人”は強い。
1on1も会議も現場の対話も、本質は同じだ。

情報の交通整理ができれば、誰でも“頼られる人”になれる。

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