”会議では発言者が偏ってしまう”
前回の成果の上がる会議に必要なこと(前編)では、
会議のルールを決めて会議を生産的に実施しましょうということをお伝えしました。
今回は引き続き成果の上がる会議をテーマにお話しして参ります。
前回の会議の生産性と同じように、多くの議長さんが悩んでいることは、
「発言者が偏ってしまう」ということです。
皆様の会社の会議を思い浮かべてみてください。多く発言しているのはどなたでしょうか?
部長がほとんど話している/報告は持ち回りでみんなしているが、意見は○○さんばかりが
発言している/参加者は発言しないんで、議長の自分がまずは発言している・・・などの
声が聞こえてきそうですね。
結論から言うと発言者が偏ってしまうということは、科学的には不可避です。
皆様にお叱りを受けてしまいそうですが、発言者は偏ってしまうということです。
なぜかというと、ベイルズの法則という理論で立証されています。
この理論では、「参加者の人数によって、発言の割合が少なくなる」と言うことを実験的に
解明しています。
そこでは、参加者を増やしても、上位3名で会議時の発言の7割を占めるという結果が出ています。
参加者が7名であろうと10名であろうと15名であろうと、発言の多い者の上位3名で
発言総量の7割を占めるということです。
ちなみに、参加者全員がバランスよく話しをする人数は4名です。
4名だとさほど偏りなく、参加者が発言をするんですね。
ただし、重要な会議であればあるほど、各部の部長さんや役員、経営者の方などが
参加されており、人数が膨らんでいきます。
現実的には企業の中で、4名でやる会議というのは少ないですね。
会議はクイズ形式で活性化する
ではどうすればいいでしょうか?理論で証明されている話しなので諦めましょうか。
前回ご紹介したとおり、コンサルタントという職業柄、仕事の大半が経営会議、営業会議
などの会議に参加し、上手く運営していくことを行っています。
それなのに、発言者は偏ります。無理です。では済まされません。
そこで頭を悩ませ、これを打破するちょっとした仕掛けを編み出しました。
ちょっとした仕掛けは2つです。
①意見を紙に書いてもらってから発表をする
②○×の札を使って、結論と意見を聞く
①から解説していきます。
①は会議の中で意見があげてもらいたい時に活用する方法です。
⑴一旦考える時間を設け、意見を紙に書いてもらう。
⑵制限時間になったら、一斉に全員で紙を参加者が見えるように提示する。
⑶必要に応じて各人に口頭で補足をしてもらう。
お気付きの方もいらっしゃると思いますが、クイズ番組と同じ形式です。
このように紙に書くことによって、全員の意見を聞くことができます。
また、参加者自身の意見が上がってくるようになります。
会議は集団心理に引っ張られてしまい、「○○さんと同じ意見です。」、「右に同じです。」
など人の意見に同調する方がいらっしゃいますが、一斉に出すことでこれを防止出来ます。
続いて②を見ていきましょう。
②の○×の札も①の効能と同様ですが、これはある検討テーマに対する賛否を確認する時に
使います。
⑴市販している○×の札を用意ください。
入手できない場合は白紙の表に大きく○、裏に×と書いていただければ、大丈夫です。
⑵一旦考える時間を設け、○か×かを考えてもらう。
⑶制限時間になったら、一斉にせーので上げてもらい、賛否を問う。
⑷議長は○派・×派の方に意見(理由)を聞いていく。
この時、少数派の方から意見(理由)を聞いていくことが大事。
多数派の意見から聞いていくと、数に圧倒され、少数派は発言しにくくなってしまう。
ちなみに、この○×の札を使って、結論と意見を聞くは同じ議論でも繰り返し実施しても
効果抜群です。
意見を変えるのはOKということを前提に繰り返しやっていくと、全員の意見を聞いて、
自身の意見を変える方が出てきます。
したがって、2回目以降の○×では、意見を変えた人から意見を変えた理由を聞いて
いきましょう。
後は先程と同様に少数派・多数派と意見(理由)を聞いていきます。
いかがでしたでしょうか 。
今回お伝えしたことを活用し、会議で発言者の偏りを是正し、意見を吸い上げることに
役立ててください。