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ロジカルでない人の原因を分析すると・・・

▶︎ ロジカルシンキングとは何か?

ロジカルシンキング(論理的思考)はビジネスにおいて必要なスキルの代表格ですが、そもそもロジカルシンキングとはどのような思考でしょうか?

世間では様々な定義がありますが、弊社では「筋道を立てて考える」ことをロジカルシンキングと定義しています。

では、筋道を立てて考えるとはどのようなことでしょうか?

筋道を立てる方法は2つありますが、一つ目は列挙する、二つ目は掘り下げると言うやり方です。
図1を見ていただくとご理解いただけると思います。

[図1:列挙と掘り下げによる筋道の立て方]

図5

▶︎ ロジカルシンキングはなぜ必要なのか?

さて、先程お伝えしたように、ロジカルシンキングとは「筋道を立てて考える」ことであり、列挙と掘り下げという方法を用いて筋道を立てていきます。
このスキルはビジネスマンにとって非常に重要なものですが、多くのビジネスマンが必要性を理解していないように感じます。

ビジネスにおいて、ロジカルシンキングがなぜ必要なのか?を考えていくと以下の2つに解答が集約されます。
1. 説得力が増す
2. 課題が分かる

まず、「説得力が増す」について具体的に解説していきます。
我々は、その結論に至った理由や起きている事柄に対しての原因や理由が明確な場合に、納得することが多いと思います。

例えば、ある商品がある。
食べた瞬間に美味しいと感じた。
この商品は原料にこだわっていて、鮮度の高い原料を使用することによりこのおいしさを生み出していると話をされると、品質の良さを理解して納得します。

理由が明確であることで説得力が増していくということです。
お客様の「なぜ?」と言う質問に対して的確に説明をするためにはロジカルシンキングが必要になります。

つぎに、「課題が分かる」についてです。
起きているトラブルやクレームなどの原因や理由を考えていくことで具体的な課題が見えてきます。
また起こった事柄に対して直感的に思いついた課題は理由や原因が分からないのでそれが本当に課題かどうかが分かりません。
原因や理由を洗い出し、整理し、論理的に展開していくことでより精度の高い課題を発見できることにつながります。

したがって、直感的に思いついた課題より、本質に近い課題(本当に解決すべきこと)が分かるようになります。
これができれば、より効果的な対策も実施できるようになるでしょう。

▶︎ロジカルでない人はほとんどいない!?

弊社で実施している研修では、職場でロジカルシンキングができていない、或いは本人がロジカルではないと思っている方が沢山参加されます。
研修を進めていくと、参加された方の中で、ロジカルでないという人はほとんどいないと感じます。

どういうことか、ロジカルシンキングを構成する要素を分解した以下の図2を用いて解説致します。

説得力が増したり課題の把握をするためには、ロジカルシンキング(論理的思考力)が必要です。
しかし、それ以外にも構成する要素があり、知識・技術・経験・意識なども必要になるのです。
ロジカルシンキングはあくまで筋道を立てるフレームであり、当該テーマの話とは別になります。

ここで我々が普段研修で検証しているポイントは2つです。
①筋道を立てることができるのか?(論理的思考力がない)
②当該テーマの話しは分かっているのか?(知識・技術・経験などがない)

図9

①は論理の飛躍があるかないかを様々なワークショップを用いて検証しますが、参加者の中で引っかかる人は1〜2割程度です。
大半は②ができないというケースが非常に多いです。例えば、営業をやったことがない人に、売上を増大させるための課題を聞いても、営業に関する知識や経験がないため答えられません。
回答を絞り出したとしても、「とにかくアピールした方がいい」・「お客さんのところにいく回数が足りない」など、的外れな話や論理が矛盾した話しが沢山出てきます。
逆に、同じ質問を営業のベテランの方に聞けば、非常に論理的でかつ課題も明快に回答されます。

自分が知っていること、経験したこと、持っている技術については、大半の方は論理的に説明ができ、課題も分かっているのです。
知識や経験がないもの関しては、全く考えられないということです。

では、このような場合、ロジカルシンキングができるようになるために何をすればよいでしょうか?

非常に簡単です。知識や技術を身につけ、経験しましょうということです。

ちなみに、研修を実施していて講師として感じるのは、ロジカルでないと言われ続けて自信を無くしている人も多いということです。
なぜロジカルでないか原因も分からず、何をすればいいのかも分からず、不安を抱えている状態にあります。

このような方がいらっしゃれば、原因が分かって安心するためにも研修に参加するということがよいかもしれません。

▶︎ ロジカルシンキングを鍛えるための3つのステップ

最後に、先程お伝えした「筋道を立てることができない」場合に「何をするべきか?」について解説をしていきます。
結論からお伝えすると、以下の3つのステップでロジカルシンキング力を高めていきます。

STEP1 「なぜグゼ」をつける
STEP2  紙に書く
STEP3  人に説明して、意見交換をする

まずは、STEP1の「なぜグセ」をつけるについてです。
常日頃から頭の中で「なぜ?」という問いが浮かぶようになると、「なぜ?」の回答を考えるようになります。
これが筋道を立てる訓練になるのです。

また、「なぜ?」の回答を考えることで、その考えたテーマの知識を得ることができます。
時には気になって、調べて回答を考えるという行動を起こし、より多くの知識を得ることが出来ます。
ロジカルな人の特徴はとにかく「なぜグセ」が強いです。常に「なぜ?」を忘れずに考えてください。

次に、STEP2の「紙に書く」です。
これは、先程、「なぜ?」を考えて筋道を立てる訓練をするとお伝えしましたが、頭の中で筋道を立てて考えるのは限界があり、難しいからです。
皆様は考えていることを紙に書いて矢印でつないでみると話がつながっていないという経験をしたことはないでしょうか!?

頭の中では繋がっているように思えますが、紙に書いて見える化してみると繋がっていないということがよく起こります。
考えごとや仕事で課題や原因/理由などを考えていく時には、必ず紙に書くことを推奨します。
書き出して客観的にみると整理がしやすくなります。

そして、STEP3の「人に説明をして、意見交換をする」です。これを実施するのは2つ理由があります。
一つは自分で声に出して説明することで、話しながら繋がっていないことを理解できるからです。
先程のSTEP2の「紙に書く」をやっても、ロジカルシンキング力が低い方は話が繋がっているように見えることが多々あります。
これに気付くために説明をするのです。

意見交換の中で、説明に窮することがあれば、それは多くが論理的ではない状態であることでしょう。
もう一つの理由は、話し相手からフィードバックをもらえるということです。
話が矛盾したり、論理的な説明でない場合は相手が納得しない表情を浮かべ、矛盾や論理の飛躍を突っ込んでくれることでしょう。

これをすることで、自分では気付けないことに気付くことができ、成長がより一層早まることでしょう。
ビジネスではクレームの再発防止・売上が上がらない原因の抽出・購買物の決済を得るための説明など、ロジカルシンキング(論理的思考)が必要な場面が沢山あります。
その日ごろから使うスキルが高まらない原因は人にとって異なります。そのスキル向上の阻害要因を知れば対策も簡単に実行できます。

ロジカルでない人の原因は「知識や技術・経験がない」ことでしょうか?
「筋道が立てられない」ことでしょうか?
これを把握することから始めてもよいかもしれませんね。

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