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【連載企画】VOl.15『後継社長力』~事業承継を成功させるための「正しい順序」とは~

社員の意見を取り入れた中期経営計画

目次

  1. 中期経営計画の手順

  2. 中期経営計画は経営者自身で考える

  3. 一緒に同じ方向の未来を見る

▶中期経営計画の手順

社員の意見を取り入れた中期経営計画の作成は2日間に分けて行い、社員全員参加が基本です。

チームは社長と幹部チームが1つと、あとは会社の規模にもよりますが8名前後でチームを作っていきます。

手順は以下のとおり進行します。

まずは、各チームで以下の3つのシートの作成をします。
①どういう会社になりたいですか?
②具体的にはどういう会社ですか?
③中期経営計画

シートは各自がまず作成したものを持ち寄り、編成したチーム内で精査して1つにまとめます。シートは事前に用意します。(以下参照)

「◯年後にどういう会社になりたいですか?」という質問に対して、記入する際の参考例も用意しておきます。

例えば、「お客様からの『喜びの声』が1番多い会社」といった具合です。

特に賃金や福利厚生などは、無茶な目標を立てられても現実味がありませんので、競合企業の情報を事前に用意し、同規模もしくは、目標としてベンチマークしたい会社の平均年収などの資料もつけておきます。

加えて帝国データバンクから業績の推移や会社の平均年齢、人数構成などの資料も集めて添付します。

こうした準備をしておかないと、夢計画ではなく単なる無謀な計画になりかねないのです。
そして、1日目は各チームでシートの作成をして、翌日のプレゼンに備えるわけです。

2日目はチームごとにプレゼンを行います。プレゼン後には、チーム案に対する意見交換をして、その場で社長と幹部が協議し、採用・不採用の決断を行うのです。社員が一緒になって将来を語り合い、計画を作っていく作業はとても盛り上がります。

色々な要望を吸い上げ、経営者にプレゼンし、「計画に盛り込むか、見送るか」を判断する瞬間は、盛り上がりも最高潮に達します。

もちろん、それだけでは中期経営計画にはなりませんので、その後社長と幹部によって、実現に必要な費用やそのために必要な売上など、具体的な数字を作り込んでいきます。

▶中期経営計画は経営者自身で考える

中期経営計画を作成する流れは以下のとおりです。

「中期経営計画」を左の「骨子」に入れ、実現のために必要な売上計画と利益計画をはじき出します。

策定した中期的な戦略をもとに具体的な数値目標を設定していきます。目標を達成するためには「どの程度の期間で」「どのくらいの数値目標を達成するか」を明確にします。

さらにそこから商品別部門別の内訳計画とともに、実行する上での資金計画もある程度見えてきます。

このとき大切なのが、内部環境分析と外部環境分析です。内部環境分析では、自社の強みや弱み、従業員などの人的資源や組織力、会社の経営データを客観的に分析し、SWOT分析などを用いて会社の武器(強み)と弱点を洗い出しましょう。

また、外部環境分析では、マーケットや競合他社の情報を収集し現状の外部環境を分析し、ビジネスチャンスやリスクを網羅的に把握します。

そして、それを実現するためにテーマと課題、もしくは具体的な施策、その施策に連動して「販売促進計画」や「営業パーソンの育成計画」といった内訳計画を作成するわけです。

内訳計画は、目標を達成するためにはどのような課題をクリアする必要があるかといった具体的な行動プランです。具体的な数値目標と行動プランを設定することで従業員への「見える化」が行われ、現場への中期経営計画の落とし込みに繋がります。

▶一緒に同じ方向の未来を見る

さらに、社員の意見をベースとした中期経営計画を立て、実現できたという実績を作ることも大事で、1つくらいは1年以内に実現可能なものを入れておくと、社員たちのモチベーションはさらに上がります。

例えば前回記載した企業の中期経営計画で意見が出たパウダールームが欲しいとの案は見事採用が決定し、1年以内に会社にパウダールームをつくりました。もちろん、提案した女性社員は大喜びで、「目標を必死に追っかけた甲斐がありました!」と社長に話したそうです。

このように、パウダールームを作るために目標達成するといった形で、「目標達成への意味付け」が出来ました。これによって目標設定への不満は減り、逆に目標達成へ邁進する社員が増えていくわけです。

この中期経営計画作成を通じて、多くの企業から組織の一体感が生まれ非常に良かったというお話を頂き、副次的効果もある施策と言えるでしょう。

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