コラム 評価されない仕事を、どう扱うか 2025.12.17 評価されない仕事を、どう扱うか 人事評価の時期になると、多くの経営者が同じ問いにぶつかる。 「評価されない仕事を、どう評価すればいいのか?」 私は、黙々と「大して褒められもしない、名もなき仕事」をする人を心から尊敬している。 * ある営業改革の現場で、「営業事務からのアンケートを評価に含めるか」という議論が起きた。 数字を作る営業か。組織を支える行動か。 意見は割れたが、経営者はこう判断した。 「成果は、仲間がいて初めて生まれる。その事実を組織に示したい。」 結果、業績は急伸しなかったが、離職率は下がり、職場の空気は確実に変わった。 * 世の中には、評価されない仕事が無数にある。 掃除、電話対応、雑務、気配り。誰かがやらなければならないのに、評価にも、賞与にも、昇進にも直結しない仕事。 経営者は見ている。だが、どう報いればいいか分からない。 ここに、評価制度では埋められないズレがある。 * そこで私は、評価ではなく「可視化」を提案している。 「NO.1社員アンケート」。 電話に一番最初に出る人。社内をきれいに保つ人。会議で最初に発言する人。 名前と感謝のコメントを書いてもらい、期初や期末に読み上げる。 それだけでいい。 「気づいてもらえただけで報われた」そう涙ぐむ人を、私は何人も見てきた。 * 社会は、かっこいい仕事だけで成り立ってはいない。 名もなき仕事をする人がいるから、組織も、世の中も、回っている。 * 最後に、経営者へ。 評価制度を変える前に、言葉をかけているだろうか。 「いつもありがとう。」 その一言が、評価よりも人を動かすことがある。 あなたの会社では、評価されない仕事を、どう扱っているだろうか。 writing:ストロングポイント株式会社 代表取締役 加賀隼人 Tweet Share Hatena Pocket RSS feedly Pin it 投稿者: adminコラムコメント: 0 バルサ式にみる「未来を育てる構造」──即戦力と内部育...