コラム 商売の知性 2026.02.10 商売の知性 年度末を控え、少しだけ立ち止まり、 自分の会社の数字と静かに向き合うための話をしたい。 以前、上場企業の経営者と話していたとき、 こんな言葉を聞いた。 「売上には、色があるんだよ」 遠くから見ると立派な売上でも、 近づくと分かる。 その色が、会社の体力を削って出ていることがある。 そのとき私は、 売上を「量」ではなく「状態」として見る視点を知った。 商売の知性とは、 数字に強いことでも、会計用語を知っていることでもない。 構造を読み、仮説を立て、次の一手を考える力だ。 売上が伸びている。 利益も出ている。 それでも会社が不安定になることがある。 理由は簡単で、 構造を見ていないからだ。 本当に見るべきなのは、 その売上が どこで無理を生み、 誰に負荷をかけ、 未来を楽にしているのか、 それとも削っているのか、という関係性である。 数字を結果としてではなく、 負荷の分布として読む。 誰がいつも踏ん張っているのか。 どこが属人化しているのか。 ここを読み違えると、判断は必ずズレる。 売上が大きい事業が、必ずしも健全とは限らない。 一部のベテランに依存し、 若手が育たず、引き継ぎも進まない。 数字はきれいでも、組織は静かに痩せていく。 逆に、数字は地味でも、 工程が磨かれ、人が育ち、 次の柱が育っている事業もある。 多くの場合、気づいてはいる。 ただ、見なかったことにしているだけだ。 見た瞬間、何かを変えなければならなくなるから。 ここで、宿題を一つだけ置いておきたい。 その売上は、 「誰かの踏ん張り」に依存していないだろうか。 そして、その踏ん張りは、 未来の会社を少し楽にしているだろうか。 もし答えに詰まるなら、 その売上は、未来を削っている可能性が高い。 商売の知性とは、 構造を読み、次の一手が見えてしまったあとで、 それでも目を逸らさないことだ。 さて、来年度はどうするか。 writing:ストロングポイント株式会社 代表取締役 加賀隼人 Tweet Share Hatena Pocket RSS feedly Pin it 投稿者: adminコラムコメント: 0 生成AI時代の育成は「方法教育」ではなく「成果教育」...