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“管理職の育成力”に依存した新人育成を変えませんか?

▶何十年も変わってない育成方法!?

新卒採用をしている会社ではほとんどの会社が「新入社員研修」を実施していると思います。内容は「ビジネスマナー」から始まり、「社会人としての心構え」「電話の受け方」などが中心です。
最近は少し変わった「自衛隊研修」や「禅寺研修」なども流行っているようです。
多少トレンドはありながらも多くの会社が社会人の基礎を中心に実施されているのが現状です。

そして、新入社員研修の後は、現場研修が始まります。現場研修のほとんどが現場の管理職やリーダー任せになっており、ここで問題が起こります。

「なんだこいつら、何も知らないじゃないか・・」
「人事は何をやってるんだ」

現場から出てくる意見は、このような人事・教育担当に対する不満です。
人事・教育担当の側からすると、「それぐらい現場でやってください」となっており、押し問答になっているケースが多々あります。

さらに現場のOJT担当の方にお聞きするとこんな意見が出ます。
「何を教えたらいいのか?わからないのでとりあえず、同行(一緒にいて、見てて)してくれ」と言われていて、そのようになってます。

新入社員はとりあえず、言われるがままに黙ってやります。
うまく進めばいいんですが、うまく進まない現場では新入社員がついていけず、辞めてしまうのが顛末です。

こんな問題が何十年も変わっていないやり方です。

▶明らかに新卒の質が低下していると思う

ここ数年で明らかに新入社員の質が低下していると感じる経営者が多いです。
これはいくつか理由があると思います。

■“地方の中間層まで首都圏企業にとり負けている”
ここ数年でオンライン面接が主流となり、地方学生が首都圏企業にアプローチしやすくなった。

■“コミュニケーション能力の低下”
テキスト中心のコミュニケーションになってしまい、年齢差のある人とのコミュニケーションが減っている。

■“オンラインが中心”の学生時代に能力を高める機会が少ない
今まで経験できたことが経験出来ていない。

このようなことから質が低下していると考えられます。
質の低下から、新入社員育成を強化する企業も増えています。

では、どこを育成強化していくか?について参考になるデータを紹介します。

ラーニングエージェンシーが行った調査で管理職に「部下に新入社員時代のうちに身につけてほしい能力」、新入社員に「社会人1年目で身につけたいスキル」について調査を行っています。

最もギャップが大きい項目は「パソコンスキル(管理職12.0%、新入社員33.6%)」で、その差は21.6%。管理職が持つ「デジタルネイティブ世代はパソコンスキルを持っている」という印象と、スマートフォンやタブレットの操作は得意な反面、「ビジネス上で使用するソフト(Excel、Word、 PowerPointなど)やキーボード操作に実は慣れていない」という新入社員の実態とのズレが現れているようです。

2番目にギャップが大きかった項目は、「タイムマネジメント力(管理職47.5%、新入社員26.2%)」で21.3%差でした。残業削減、生産性向上といった働き方改革の推進だけでなく、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うテレワークなどの影響も重なり、管理職はタイムマネジメント(時間管理)力の必要性を強く感じています。

一方、新入社員はまだまだ業務経験が浅く、タイムマネジメントの重要性を感じきれていないこともあり、お互いの間に大きな意識のズレが生じたと考えられます。

▶何を変えて、何を始めるべきか?

上記、調査からPCスキル強化しようとするのは少し違うと思います。何故ならば、我々はPCスキルの勉強をしなくてもできているからです。一方、タイムマネジメント力はどうでしょうか?多くの社員が課題と感じていて、育成しないと解決しないと思います。

管理職の方は、社員の生産性向上を望んでいるが自分が学んでないので教えられないのが課題だと思います。タイムマネジメント力はどうしたら強化されるのか?参考になるような情報をご紹介します。

▶教えてもらってない仕事の進め方?

具体的に言うと、タスク管理やスケジュール管理について、何も学ばないでいると中堅社員で以下のような状態になります。

ある社員が、「今日は、大事な提案書資料を完成させよう」と、出社した。パソコンをつけてメールを開くと、総務部から交通費精算の依頼メールが届いている。確かに今日が締め切りだったと思い出し、財布の中の領収書の整理に着手した。領収書を整理していると、ある会社の名前に目が止まった。そういえば見積書を頼まれていた。これはまずいと見積書を作成し、社印をもらいに部長の席までいく。そこで部長から月次会議の資料作成を頼まれた。早速、席に戻って資料づくりに取り掛かった。部長と言えば、先週の営業会議の議事録をまだ提出していない。これはまずい。議事録作成のほうを先にやるべきだ。すぐに議事録を作成して提出した。

次は何をやるんだったかなと考えていると、お客様からの電話である。どうやら届いた商品の数が足りないらしい。仕入先の担当者に数度の電話の後、不足分の即納を依頼した頃には、日がドップリと暮れていた。

「ヤレヤレ、なんとせわしい一日だった」と疲れ果て、そういえば、いちばん大切な提案資料を作れなかったことに気づいたのは、帰宅中だった。

▶才能ではなく習慣とやり方が問題である!?

P・Fドラッカー氏がプロフェッショナルの条件という書籍の中で以下のよう言葉を書いています。

「成果をあげる人とあげない人の差は、才能ではない。成果をあげるかどうかは、いくつかの習慣的な姿勢と、いくつかの基礎的な方法を身につけているかどうかの問題である。」

まさにタスク管理は習慣であり、この習慣をつけると成果が上がると思っています。どのような習慣が必要でしょうか?

▶育成にゲーム性を持たせてみた!?

左下に書いている5つの行動習慣をやってください。と言われてやれる人もいます。一方、新入社員に求めるのは酷です。先輩社員も出来ていないので教えることが出来ない。よって、弊社コンサルタントが以下の図を使って完全制覇をするためにサポートしていきます。

5つの行動習慣をより細かく分解して行動ベースに落とし込み、習慣化されてきたら消込みをしていきます。ゲーム感覚で楽しみながら行動習慣を作り出していくことでタスク管理や仕事の受け方を新入社員の1年間で刷り込んでいくという流れです。

▶育成は経験前学習により、効率化していく

昨今、学びの手法は大きく変わってきています。一昔前は経験から学ぶことが中心でした。一方、現代は情報を獲得する手段が多くあるため、経験する前に必ず学習します。これを経験前学習と言っています。

この経験前学習はまさに若者の行動習慣であり、その行動習慣をベースとした育成方法に企業は変える必要があります。

最後に・・・幹部育成も大事ですが、入口から強化しないと管理職の力量に依存する組織になります。採用が経営戦略の中心になりつつある地方企業では育成で差別化することが最もわかりやすく効果的です。

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