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優れたコンテンツを生み出すための科学(後編)

後編は、私が実践して効果があったことを紹介したいと思います。
前回紹介しました優れたコンテンツを生み出すために重要な要素は以下の3つになります。

1.時間をかけてでも、比較調査記事を作れ。

2.業界の中で頻繁に話題にあがるが、根拠となるデータがないテーマを調査して記事を作れ。

3.インフルエンサーの専門性と拡散力を利用して記事を作れ。

私なりに作ったコンテンツが「研修が現場に落ちない本当の理由と解決策」を
noteというサイトに投稿しました。
https://note.com/strongpoint2/n/n874f72dee9d4


こちらは「業界の中で頻繁に話題にあがるが、根拠となるデータがないテーマを調査して記事を作れ。」を参考にしています。アクセス数は年間で10数万アクセスがあり、セミナーをやって累計1000名以上集客出来たコンテンツになります。

他にも「時間をかけてでも、比較調査記事を作れ。」を参考に流行りの「DXツール比較表」とセミナーを作りました。比較表はここ数年増えているWEBサービスを自ら使用して時間をかけて評価しました。こちらも結果としては、半年間で累計700名ほどのセミナー集客が出来ました。

上記3つの手法はかなり有効であることがわかりました。更に私なりの理屈を作ってみたので紹介したいと思います。

  1. 「実際に著者が体験したビジネス上のエピソード」を題材にする

例えば、私はコンサルタント・管理職・起業・社長の経験者なので、そういったことを題材にすることが出来ます。「部下とのやりとり」「ビジネスでの悩み」などの経験は、全てコンテンツだと思っています。

逆に「コロナウイルスの収束後どうなるか」などは、体験不可能なので、机上の空論になりやすく、書かないと決めています。

  1. 意外性のある主張をする

話の上手い人は、必ず「意外なオチ」を用意しています。「えー!マジかよ~」という反応を期待しています。同様に「書くのが上手い人」も主張に「意外性」を必ず用意しています。そうすることで読者の興味は「その根拠」に向けて注がれるからです。

  1. 仮説を証明する理論・データがあるかどうかを調査する

そして、ここからが本番です。②までで終わってしまえば、それは単なる「仮説」の粋を出ないし、「意外性のある主張」も、「単なる与太話」で終わってしまいます。仮説はあくまでも仮説であり、証明が必要です。そのため必ず「文献」を複数当たり、調査を行っています。

例えば、前編で記事を書くために使った文献は次の4つです。

・元電通のクリエイターだった田中泰延氏

・「スタジオジブリ」の代表である鈴木敏夫氏

・ジョフ・コルヴァン氏が「究極の鍛錬」

・アンディ・クレストディナ氏が語る「優れたコンテンツとは何か」

「独りよがりの思い込み」ほど、見苦しいものはないと思うのです。何かを主張するのであれば、事実を提示し、出来る限り客観的に仮説を強化しなければならないと思います。

更に文献から得られた「意外性のあるデータ」を軸に、記事を再構成していきます。

文献をあたることで「仮説」がハズレていることが判明することもあります。その場合は「嬉しい誤算」として、それを記事化すれば良いのです。

なお、前職では、記事やセミナーコンテンツを作るときには「同一テーマの書籍はすべて読む」という義務がありました。これは非常に合理的なことです。仮説検証のみならず、新しい論点の抽出ができ、「どんな主張が新しいか」を知ることもできるからです。実は、これは論文を書こうとする研究者と全く同様の行為なのです。研究活動は、先行研究の調査を行い、論点を抽出し、仮説を立てる行為です。つまり「記事を書く」は、「論文を書く」とほぼ同じであると、私はみなしています。

したがって文献を当たれば当たるほど、新しい「仮説」をどこに持ってくれば意外性があるかを見抜くことができるのです。「文献をあたること」がコンテンツメイキングの本質だと思います。

要するに「再現性のあるコンテンツメイキング手法」とは一言で言えば、「文献を数多くあたって、意外性のある論点を発見すること」です。つまり「読まれる記事を書きたい」と言われたら「その分野の本を山ほど読んで、新しい論点を発見してはどうですか?」という回答が、最も正解に近いと思っています。コンテンツ作成の仕事はまず「調べる」ことから始めることです。

そして調べた9割を棄て、残った1割にやっと「筆者はこう思う」と書くのです。つまり、書き手の考えなど全体の1%以下でよいし、その1%以下を伝えるためにあとの99%以上が要るということです。「物書きは調べることが9割9分」なのです

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